● 歯磨き
今回はお子様の歯を守るためにご家庭で気をつけていただきたいことをまとめてみました。乳幼児期に気をつけていただきたいのはやはりむし歯の予防です。そのためには、歯磨きが大切なのはいうまでもありません。この時期の歯磨きは、乳幼児ですから自分ではできませんので、いわゆる保護者磨きに頼らざるを得ないのですが、きちんと磨くのはなかなか難しいこともあります。キレイに磨ければいうことはないのですが、たとえ磨き残しが多少あってもさほど神経質になることはありません。むしろお子様が歯磨きに慣れること、歯磨きの習慣ができることの方が将来的にはメリットがあります。キレイに磨こうとしすぎてお子様が歯磨きを嫌いになってしまわないように、まずは歯磨きの習慣化を目指してください。
●お砂糖の摂り方に注意
実はこの時期では、歯磨きよりも気をつけていただきたいことがあるのです。それはお砂糖の入った飲み物や食べ物、いわゆる間食の摂り方にです。お砂糖のコントロールがむし歯予防に与える影響についての研究は難しいことが多いため、質の高いデータは集まっていません。しかしながら、多くの研究者はお砂糖がむし歯予防に与える影響は大きいと考えています。
細菌学的に見ると、お口の中に住んでいる虫歯菌、ミュータンス菌がエナメル質を溶かすほどの強い酸を作るためには、デンプンではダメで、お砂糖が必要であるという報告があります。すなわち普通のご飯ではむし歯はできず、お砂糖の入ったものを食べたり飲んだりした時にむし歯ができるリスクが生じるということです。
以上のことからむし歯の予防にはお砂糖の摂取のコントロールが大切と考えられます。むし歯菌の活動を活発にするお砂糖が常にお口の中にあるのは、かなり危険です。お子さんにはお砂糖の入った食べ物や飲み物を「ダラダラ」と与えないようにしてください。ある一定時間はお口の中にお砂糖がない状態を作っていただきたいのです。例えば、食事の前2時間はお砂糖の入った食べ物や飲み物は与えないというのはいかがでしょう。
●フッ素
フッ素がむし歯を予防する効果があるのは科学的に証明されています。お子さんの歯にフッ素をデリバリーする方法は3つあります。①定期的に歯医者さんにいってフッ素塗布をしてもらう ⓶フッ素の入った洗口剤を使う ③フッ素の入った歯磨き剤を使う です。
毎日保護者磨きをしてあげているこの時期に一番簡便な方法は、「③の歯磨きと一緒にフッ素を塗る」ではないでしょうか。幸いなことに最近は高濃度(6歳未満は500ppm)のフッ素を配合した歯磨き剤が購入できるようになりました。そういう歯磨き剤を使って保護者磨きをされるのもよいでしょう。
● プロデンティス(ロイテリ菌)
ヒトの母乳由来の乳酸菌であるロイテリ菌はむし歯や歯周病のリスクを大幅に減らします。事実、広島大学の研究によるとロイテリ菌を2週間摂取することによってむし歯の原因菌とされているミュータンス菌が劇的に減少することが証明されています。
予防大国のスウェーデンではお母さんが妊娠すると、プロデンティスを摂り始め。子共が生まれると親子でプロデンティスを摂るそうです。プロデンティスには乳幼児用のリキッドタイプもありますので、こういうものをうまく使ってお子さんと共に健康な生活を送っていただければと思います。