「咬合応力」の関与が疑われる場合には、「歯ぎしり」や「くいしばり」をなるべくしないようにしていただく必要があります。しかし、これらの習癖は自制がなかなか困難ですので、マウスピースの使用を考えていただくのが良いかもしれません。これもかかりつけの歯科医院で相談してみてください。加えて、酸性の飲み物や食べ物の摂取にも留意していただいたほうがよろしいかと思います。少なくとも酸性の強い飲み物や食べ物の過度な摂取や長時間にわたる摂取は控えるようにしていただいだく必要があります。酸性のものにすごく気を使っておられる方のなかには、サラダはドレッシングを使用せず、塩とオリーブオイルだけで食べるという方もいらっしゃるようですが、そこまで徹底するかどうかは別として、節度をもって摂取していただければと思います。
NCCLの治療は欠損の大きさによって異なります。また、NCCLに加えて知覚過敏や齲蝕を併発している場合にはそれらに対する治療も必要です。
- 軽度の場合:審美的(見ため)に問題がなければ、歯質の強化を目的にフッ素を欠損部に塗布したりします。知覚過敏がある場合には、シーラントを欠損部に塗布して薄い樹脂の保護層をつくり、さらなる欠損の進行を防ぐようにします。ただし、歯の欠損が小さくても見た目が気になる場合には歯科用の白い樹脂であるコンポジットレジンを欠損部に詰めて、審美的な見た目の回復を図ることもあります。
- 中程度の場合:多くの場合コンポジットレジンを欠損部に詰める治療が行われます。この処置により、欠損の進行が予防されるとともに、歯の形が修復されることで審美的な見た目もよくなります。加えて知覚過敏の症状の軽減も期待できます。ただし、コンポジットレジンは樹脂ですので時間の経過とともに劣化が進み着色がおこったりします。通常は数年で詰め直しをする必要が生じてきます。
- 重度の場合:欠損部分が大きく、コンポジットレジン充填では対応が困難な場合には、被せ物を用いて歯の保護を行うこともあります。また、欠損が大きくなり神経にまで達している場合には神経を取り除く処置が必要となることもあります。この場合も最終的には被せ物で対応させていただくようになることが一般的です。
NCCLは初期の段階では「しみる」とか「痛み」などの自覚症状が乏しいため放置されがちです。ただし進行すると前述したように神経をとったり、被せ物で補修したりする必要が出てくるために健全な歯質を思いのほか大きく削ったりすることもあります。一度失われた歯質は再び回復されることはありませんので、NCCLも他の疾患同様に予防と早期発見早期治療が原則です。そのためにも歯科医院で定期的に検診を受けられて、予防ないしは進行の防止や早期発見早期治療をされることをお勧めします。